
不登校について
不登校は年々増加しているのが現状です。主な原因は「無気力・不安」だという調査結果もありますが、スクールカウンセラーとして学校に行きにくい子どもたちに接していると、原因が明確なケースは非常に少ない印象です。
あえて言葉にするなら、ご本人の持っている気質や発達特性的な要因、環境的な要因、社会的な要因、年齢的な要因など大変多くの要因が複雑に絡み合って生じる現象だと思います。そのため不登校の支援においては、“原因探し”と“原因つぶし”の対応が必ずしも上手く行くわけではありません。不登校のきっかけとなった友達とのトラブルや、体調不良が“解決”しても登校に結び付かないのはよくあることです。
そんなときは、原因を追究するのではなく、お子さまの持っているリソース(強みや得意なこと、助けになりそうなもの、環境など)や、「これからどうなっていきたいか?」といった未来に視点を向けるアプローチが効果的かもしれません。反対に、問題と関係する発達の偏りなどが見過ごされてきたケースでは、きちんと困り感の背景を突き止めてあげることが助けになる場合もあります。
ケースに応じて、さまざまなアプローチ、対処法ができますので、あれこれ試したけれどなかなか上手く行かないというときはぜひ一緒に考えていきましょう。
心の専門家に相談する目安
次のような特徴に当てはまる場合は、相談の目安になります。
- 子どもの不登校で悩んでいる
- 遅刻欠席が増えてきた。不登校になる前に何かしたい
- 不登校のきっかけとなった出来事が解決しても学校に足が向かない
- 「明日は行く」と言って寝るが朝起きると学校に足が向かない
- 保健室や別室登校はできるが、教室に入れない
- 不登校の原因がわからない。原因を知りたい
- 不登校の子どもへの適切な対応、声掛けの仕方がわからない
- 学校や病院で相談しても、不登校の現状に変化がない
- 不登校の背景に発達障害がある気がする。発達検査を希望している
- 子どもの心の内を知るヒントが欲しい。心理検査を希望している
- 不登校の子どものカウンセリングを希望している
- 学校に行かせることはあきらめるべきなのか悩んでいる
- フリースクールや適応教室の利用を考えている。アドバイスが欲しい
- 不登校の子どもの対応で疲れてきてしまった
カウンセリングでできること
不登校に関するご相談では、まずお子さまの詳しい現状をお伺いさせていただきます。そして、ご本人や保護者の方の思いを丁寧にお聴きしながら、一緒に共通のゴールを設定していくことが多いです。「これからどうなっていきたいか?」という大きなゴールと、明日から取り組める小さなゴールを設定することで、先の見えない毎日の道しるべができるかもしれません。
その先は目指すゴールや求めるものによって、アプローチはさまざまですが、いくつか具体的にお伝えします。例えば、問題の背景に発達の偏りが疑われる場合は、発達検査を実施し、現状を把握することが役立つかもしれません。結果を受けて、適切な関わりやお子さまにあった環境づくりについて助言させていただきます。不登校の背景に見過ごされてきた発達の偏りがある場合は、環境調整や周囲の理解・援助を実行するだけでも、改善に結び付くことが多いです。
不安になりやすい気質や怒りのコントロールの難しさなどが関係していそうな場合は、ご本人への認知行動療法を通して、今より楽に毎日を過ごせる考え方を身に着けていくことが支援になります。カウンセリングの中で行うワークや、ご家庭での“宿題”を通して、楽しみながら適応的な考え方を身に着けていくことができます。
保護者の方のみのご来談の場合は、お子さまの現状や今困っていることを伺いながら、具体的な助言を通して、間接的にお子さまの支援を行います。親子でのカウンセリングを希望される場合は、カウンセラーは基本的に中立な第三者として、親子の話し合いやルール作りが上手くいくようファシリテートいたします。
もちろん、どのようなアプローチを行うにしてもベースには「今、ここで」の体験を尊重した傾聴があります。お子さまや保護者の方の今日話したいこと、テーマにしたいことに沿ってお話を聴き、気持ちを整理したり、他者への信頼感・安心感を育てていくことも、とても大切な作業になると考えています。「誰かにわかってもらえた」という経験は、これからの長い人生の財産になるものだと思います。一つのやり方でなかなか上手く行かないこともあるかもしれませんが、そんな時はいろいろな方法を試しながら、お子さまに合う支援を探していきましょう。
